ITIL2

第3章 サービスストラテジ(戦略)

プロセス:3つ


概念
ITサービスを導入する事によって、事業部門が「価値を得ているか」
⇒「有用性」「保証」を考える事で判断できる。


・有用性
 ITサービスが顧客のニーズを満たしているか、と言う事


・保証
 顧客がITサービスを使用するに辺り、どの程度十分なキャパシティを
 提供するのか、という事


・リソース
 ITサービスに必要な資産(インフラなど)「お金をかければ得られる」


・能力
 ITサービスに必要な無形資産(ナレッジ、組織、プロセス)
 「お金をかけてもすぐに調達は難しい」


・サービス資産
 リソースと能力を組み合わせたもの


・ビジネスケース
 サービス供給によってもたらされる 
 結果、コスト、リスク等、投資価値を説明するもの



■①サービス・ポートフォリオ管理


サービスポートフォリオを通して、ITサービスリストの管理
⇒他社と比較して強み、弱みを明確化できる。



・サービスポートフォリオ
 「すべて」のITサービスを示したリスト


・サービスパイプライン
 検討中、開発中で未提供のITサービスリスト


・サービスカタログ
 稼働中のITサービスリスト


・廃止されるサービス
 不要となったITサービスリスト



■②需要管理


顧客の事業活動の変化によってITサービスの需要が変化する事を
理解する。
⇒ユーザーの需要に対して適切にITサービスを供給する為。


・事業活動パターン(PBA)
 事業活動の作業負荷の様子
 ※月、週、日次の負荷を把握し役立つサービスを立案する。




■③財務管理


ITサービスプロバイダの予算、会計、課金に対する管理やプロセス
⇒必要な資金を確保し、コストパフォーマンスよくサービスを提供
 する為。



・会計業務
 ITサービスを提供する為のすべてのコストを把握。
 実コストの精査を行う。


・予算業務
 組織内の支出を予測し、コントロールする。
 サービスカタログやSLAを元に、予算が適正か検討する。


・課金
 顧客に提供したサービス(SLA)に対して、請求を行う。







第4章 サービスデザイン(設計)


プロセス:7つ


概念
・機能性
 リソース
 スケジュール
 に留意して設計する。



・4つのP
 人材、プロダクト、パートナー、プロセス


・サービスデザイン5つの側面
 サービスデザインの設計対象
 サービスソリューションの設計
 プロセスの設計
 設計方法と測定基準の設計
 技術アーキテクチャの設計
 支援的な仕組みの設計


★サービスデザインパッケージ(SDP)
 設計活動の成果物の「ドキュメント一式」
 作成されたSDPはサービストランジションに渡されて導入、テストされる。


・サービスデザインツール
 サービスや関連するコンポーネント設計支援ツール


・サービスデザインツールの利点
 設計の迅速化、標準と規約の遵守徹底など


・MoSCoW分析
 MUST 持たなければならない
 SHOULD 可能であれば持ちたい
 COULD 他に影響がなければ持ちたい
 WOULD 将来的に持ちたい
 ツールの要件を上記4つに分類する



■①サービスカタログ管理


顧客が利用できるITサービス一覧の作成。
※サービスポートフォリオの一部


・サービスカタログ
 提供中のITサービス、導入準備中のITサービスの詳細リスト化
 「サービスポートフォリオの一部」


★ビジネスサービスカタログ
 顧客に提供するITサービスの詳細をまとめたもの


★技術サービスカタログ
 顧客にITサービスを提供するのに必要となる「支援サービス」を
 まとめたもの



■②サービスレベル管理


合意されたレベルでITサービスが提供されているか。
ITサービスプロバイダの能力を監視、レビューする。
⇒サービスレベルを維持、向上させる


・サービスレベルアグリーメントSLA
 ITサービスプロバイダ、顧客間で結ばれたサービス目標値に対する合意


・オペレーショナルレベルアグリーメント(OLA)
 SLAを実現する為にITサービスプロバイダ内の他部署と結ぶ合意


・外部委託契約(UC)
 SLAを実現する為のITサービスプロバイダと外部サプライヤ間で結ぶ合意


★サービスレベルマネージャ
 SLA,OLAを文書化する責任を持つ
 SLAが満たされているかパフォーマンス監視
 顧客に対する説明責任


★サービスオーナー
 担当するサービスの開始、移行、保守について責任を持つ
 ITサービスプロバイダ内の役員に対して説明責任



■③キャパシティ管理


必要なリソース、コストのバランス 需要と供給のバランスを取る。
⇒費用対効果に優れた方法で顧客に十分なキャパシティを提供できるように
 する為。


・事業キャパシティ管理
 ITサービスに対する将来の業務内容を理解し、十分な
 キャパシティを将来の適切な時期に計画、実装する。


・サービスキャパシティ管理
 ITサービスのパフォーマンスを管理する。


コンポーネントキャパシティ管理
 インフラを構成する各デバイスを管理する。



■④ITサービス継続性管理


災害や事故の非常時に合意された時間内にITサービスを
「復旧できるようにする」事


★事業継続性管理(BCM)
 事業に深刻なインパクトを与えるリスクを管理する。


ビジネスインパクト分析(BIA)
 サービスが中断する事による事業への損失を定量化する。


リスクアセスメント
 資産の脆弱性を見てリスクを評価し、許容できるか判断する。


★リスク低減手段
 リスクを評価し、低減する為の計画を立てる事


★復旧オプション
 サービス中断に対応する為の戦略
 ※ホットスタンバイ、コールドスタンバイ、手作業など



■⑤可用性管理


ビジネスニーズを満たすために「日々の障害に備える」
※「非常時の障害に備えるのが、④ITサービス継続性管理」

※両方とも「事業継続性管理」の為にある。


・可用性
 可用性=合意済みサービス時間-停止時間/合意済みサービス時間
     ×100%
 必要な時に使える能力
 

・信頼性
 MTBSI=使用可能な時間/中断回数
 MTBF=使用可能な時間-総停止時間/中断回数

 どのくらい故障しにくいか。


・保守性
 MTRS=総停止時間/サービス中断回数


・サービス性
 信頼性、可溶性、保守性をサプライヤがどれだけ持っているか


・重要ビジネス機能(VBF)
 ITサービスを構成する時の不可欠な要素を表したもの


・拡張版インシデントライフサイクル
 インシデントの検出、診断、修理、復旧、回復の段階
 ⇒可用性のなかでインシデントの長さとインパクトを最小にして、
  早急に回復させる為の活動



■⑥情報セキュリティ管理


ITセキュリティと事業セキュリティを整合させる事。(為)
サービス、サービスマネジメントにセキュリティが適用されている事。(為)




・機密性
 適切な人だけに情報を公開。不正なアクセスから保護する。


・可用性
 必要な時に利用可能な事


・完全性
 情報が完全かつ正確な事。
 許可されていない修正から保護されている事。



■⑦サプライヤ管理


サプライヤ、及びサプライヤが提供するサービスの管理
⇒良質のITサービスを途切れる事なく提供する為。



★サプライヤ契約データベース(SCD)
 サプライヤとの契約内容、提供されるサービスを管理するDB
 サービスナレッジ管理システム(SKMS)に含まれる


アウトソーシング
 外部組織のリソースを活用


・インソーシング
 内部リソースを活用してサービス提供


・コソーシング
 インソーシング、アウトソーシングを組み合わせて
 ITサービスを提供する。
 

・パートナーシップ、マルチソーシング
 ITサービスを提供する為に、2つ以上の組織が連携する事


★ビジネスプロセスアウトソーシングBPO
 プロセスや機能をより安い地域に配置し、サービスを安価で
 提供、管理する事。
 ※コールセンタを地方化等


・アプリケーションサービス供給
 ASPと契約を結んで顧客へ提供する。


・ナレッジプロセスアウトソーシング(KPO)
 BPOを更に高いレベル(マーケットリサーチ等)で実施する事